全ての人に子を持つよろこびを

京野アートクリニックは1995年に宮城県古川市(現在の大崎市)で開院して以来、25年間、現在は仙台院、高輪院、盛岡院、HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)の4施設で生殖補助医療 (ART)を実践しております。一般的な不妊治療に加え不育症などの難治性不妊症、男性不妊の治療なども積極的に行ってまいりました。

当院では、2000年からARTの技術を活用して、妊孕性温存を実施しています。ARTの技術を最大限に活用することで、がんの治療を進めながらも、妊娠する機能を温存することが可能であり、2020年現在、男女合わせて400人以上の患者さんに妊孕性温存を実施してまいりました。がん治療後に50名以上の方が妊娠にチャレンジし、これまで30人以上の赤ちゃんが生まれています。
女性には、受精卵凍結、卵子凍結、卵巣凍結を、男性には精子凍結を実施することが可能です。

がんでもママパパ

すべての若年がん患者様へこうした治療を届けられるように日々努力を重ねております。

当院の妊孕性温存の歩み

当院の妊孕性温存の歩み

特に近年、妊孕性温存として大変期待されているのが卵巣凍結です。
卵巣組織ごと凍結保存し、がん治癒後に正所移植することにより自然妊娠が可能になるという点で大きなメリットがあります。また、卵巣凍結は思春期前の子どもや乳癌などでも治療開始までの猶予期間が短い場合においても、短期間で実施、凍結保存を完了できることから、これまで妊孕性温存が実施できなかった方々にも提供できるという点で大きな意味を持っています。

HOPE設立(2016年11月)

卵巣凍結には、専門的な技術、人材、設備が必要となります。卵巣凍結ではドイツやデンマーク、ベルギーなど欧州諸国が先行しています。

特にドイツにおいては、ドイツ、スイス、オーストリアの3か国でFertiPROTEKTというネットワークを構築し、数多くの卵巣凍結を実施しています。

彼らのモデルの特徴的な点は、凍結保存を行う施設を3施設程に集約している点です。

卵巣を摘出や移植することができる施設は100か所以上ありますが、凍結施設は3施設にまとめられており、

摘出する病院と凍結施設を搬送ネットワークで結ぶことによって、安全かつクォリテイの高い卵巣凍結を可能としています。

当院では、FertiPROTEKTの共同設立者であるMarkus.Montag先生と実質的な責任者であるJana Liebenthron先生をお招きし、

2016年11月に日本で初めてとなる卵巣凍結保存センター(HOPE)を設立いたしました。

左がM.Montag先生 右がJ.Liebenthron先生

HOPE移転 2020年12月

多くの卵巣凍結をはじめとした妊孕性温存を実施する中で、顕在化してきた課題は「長期保管」です。妊孕性温存を希望する患者さま、特に卵巣凍結においては、近年小児がん患者さまへの適応も拡大してきており、

5年どころか10年、20年の長期保管が前提条件となります。近年、多発している大雨、台風、洪水などの自然災害や東日本大震災のような震災の発生を考慮し、

より地盤が堅固であり高台に位置する場所へHOPEを移転いたしました。

改めてHOPEの特徴を5つの柱として定めました。

スタッフ一丸となり、

全ての人に子を持つ喜びを

がんでもママパパ

この願いを実現できるようにこれからも日々努力を重ねていきます。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

理事長 京野廣一

所属学会・役職等

  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
  • 母体保護法指定医師
  • 日本生殖医学会生殖医療専門医
  • 医学博士

略歴

  • 1978年 福島県立医科大学を卒業し、東北大学医学部産科学婦人科学教室入局
  • 1983年 チームの一員として日本初の体外受精による妊娠・出産に成功
  • 1995年 レディースクリニック京野(大崎市)開院
  • 2001年 卵子凍結(緩慢凍結・急速融解)による妊娠・出産に成功
  • 2004年 卵子凍結(ガラス化法)による妊娠・出産に成功
  • 2007年 京野アートクリニック(仙台市青葉区)開院
  • 2012年 京野アートクリニック高輪(東京港区高輪)開院 卵子凍結(医学的適応・急性リンパ性白血病)による妊娠・出産に成功
  • 2015年 東邦大学医学部産科婦人科学講座 客員教授
  • 2016年 日本初の卵巣組織凍結保存センターHOPE(Human Ovarian-tissue Preservation Enterprise)設立
  • 2019年 京野アートクリニック盛岡(盛岡市)開院
  • 2020年 HOPE移転
客員教授 東邦大学医学部産科婦人科学
顧問 日本IVF学会、日本生殖医療心理学会
理事 日本受精着床学会、日本生殖再生医学会、日本不妊予防協会
代表世話人 東北ART研究会
評議員 日本低温医学会
代議員 日本卵子学会、日本生殖医学会